知っておきたい、マレーシア事業拠点のこと②
今回は、現地法人の設立手続きについて書いていきます。
日本側と現地法人側の両方で手続きがありますが、現地での設立手続きが複雑なので注意が必要です!
一般的には、海外で現地法人を設立する場合株式有限席に会社を選択することが多いので、今回は株式会社の設立手続きを説明していきます!(参考:wiki investment)
日本側手続き
日本側で行う手続きは少なく、
1:現地法人情報の決定(取締役構成や社名など)
2:申請書類の作成
3:申請書類へのサイン
4:親会社登記簿の公証、認証
5:現地定款のチェック
の5つだけです。
現地側手続き
(1)ネームサーチ
[詳細]
会社設立に際し、まずは希望する社名の候補を複数挙げて、社名の検索をマレーシア会社登記所に対して行う必要があります。社名が類似している可能性がある、既に使用されてる、などの問題がなければマレーシア会社登記所に手数料として30RMを支払い社名認可書を発行してもらいます。
認可が下りた社名は3か月間有効で、その間に必要な書類をマレーシア会社登記所に提出し登記を進める必要があります。また、社名を3か月の期限後も保持する場合は延長の申請を出す必要があります。
(2)会社登記
[詳細]
必要書類は下記の3つです。
①会社定款
第一取締役、第一秘書役に名前を記載しなければならず、第3者の前で署名する必要があります。内国歳入庁に印紙税として100RMを納める必要があります。
②第1会社秘書役による法定宣誓書
第一秘書役の署名が必要になります。
③取締役および発起人による法定宣誓書
取締役、発起人は最低2名必要となります。
その他、CA(Companise Act)の原本のコピー、社名を承認したマレーシア会社登記所からのレターのコピー、各取締役及び会社秘書の身分証明書のコピー、の提出が必要になっています。
同時に、日本側では親会社の登記簿膳本(公認・認証済)を準備しなければなりません。
(3)設立後の義務
[詳細]
設立後1か月以内に会社法で規定されている書類をマレーシア会社登記所に提出しなければなりません。
①株式の割り当てに関する申告書
②登記事務所住所の通知書
③取締役、経営者、会社秘書役の名簿
④有価証券の移動に関する申告書(株式譲渡が発生する場合)
*各フォーマットはこちらを参照!
これらの内容を取締役会で確認・決議し、届け出を行います。また、第1回取締役会の開催は書面決議でも可能です。下記が主な決議事項となります。
<主な決議事項>
①会社設立登記の完了および設立登記書の承認
②会社定款の承認
③最初の取締役の確認
④登記住所の決定
⑤会社秘書役の選任
⑥会社印章の採用
⑦株主名簿への確認
⑧発起人からの株式譲渡の決定
⑨外部監査人の選任(後日でも可)
⑩会計年度の決定(後日でも可)
(4)設立後第1回目の株主総会の開催
[詳細]
成立の日から18か月以内、または会計年度末の6か月以内のどちらか早い法に最初の年次総会を開催することが求められています。
会社設立書が交付されたら、会社は企業法人として機能することができ、告訴されたり訴訟を起こすことができるようになります。また、会社の社印により土地保有などが行え、会社を解散する場合には会社法に従って会社の資産を供出し、負債弁済の義務を負います。
おわりに
マレーシアでは、現地での手続きが多く期限のあるものもありますので注意して設立を行うことが求められます。