マレーシアの株式 種類と新株について

 

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 今回はマレーシアの株式について書いていきます。

 株式会社を設立する方は、当然株式について知る必要があります。

 駐在員事務所などを設立する上では関係のないことですが、株式会社を新たに設立する時には必須の知識となります!

 

株式の種類と新株

 マレーシアでは、定款に記載することで、普通株式以外にも優先株式や種類株式を発行することができます。

 それぞれ、配当や議決権などに対して優先権や制限のある株式となります。

 

 マレーシアで新株を発行する場合、発行するタイミングによって処理が異なります。

Ⅰ:設立時

 [詳細]

  会社設立時には最低でも2株(2リンギット)発行しなければなりません。ただし、業種や外資の資本比率などにより最低の数字が異なります。

 

Ⅱ:設立後

 [詳細]

  (臨時)株主総会によって発行株式数、種類が採択されることがほとんどです。通常の新株発行は年次総会で決議を行い、その後取締役会の決議を持って実行されます。また、新株の発行に対して以下のことが認められています。

1:その便宜上新株を発行すること

2:発行済み株式に対して株式併合、分割すること

3:株式の種類や階級を変えること 

 

 発行するタイミングによって処理が異なりますので、注意が必要です。

 

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マレーシアの会計監査について

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 前回は取締役会について書きましたので、今回は会計監査について書いていきます。

 会社設立時において会計監査役は設置義務が課されていますので、設立において注意が必要な事項の1つです。

 会計監査の要件を満たすのがどのような人になるのか、設立前に知っておきましょう。

 

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マレーシアの会計監査

 マレーシアでは、会計監査人の設置が義務付けられています。

 公開、非公開に限らず、マレーシアではすべての会社に外部会計監査人の監査を受ける義務があります。

 監査の対象外となるのは、清算期間中と駐在員事務所の2つだけです。

 

 会計監査人として、マレーシアの公認会計士としての認定を受けている人が1人以上必要となります。

 

 会計監査人は、会社が作成する決算書の監査を行い、監査報告書にて決算書の適正性について意見表明を行うことになります。

 会社の会計帳簿、証票類の閲覧や質問をする権限が会計監査人に与えられており、求めに応じて会社は資料の提供や質問の回答をしなければなりません。

 

 

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マレーシアの取締役会

 

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 今回はマレーシアの取締役会について書いていきます。

 会社設立と同時に必要となるのが取締役会ですので、その要件などを確認する必要があります。

 株主総会で選任される取締役会は国ごとに違いますので、海外で会社設立をする上では欠かせない知識となります。

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マレーシアの取締役会

 マレーシアの取締役は株主総会により任免されます。

 人数は2人以上なのですが、最低2人はマレーシアに居住性を持つ人である必要があります。

 また、取締役の要件としては以下のようなものがあります。

 

・破産者ではない

・18歳以上である

・なんらの精神障害を患っていない

・国籍を問わない(ただし、最低2人はマレーシアに居住性を持つ人が必要)

・70歳未満であること(公開会社のみ)

 

 以上の5つが取締役としての要件となります。

 会社設立において、取締役は必要不可欠ですので、要件を必ず満たすように選任しましょう。

 

 また、上記の文における「マレーシアの居住性」とは、3つの判断基準を満たさなければなりません。

①マレーシア国籍かどうか

②現地に住所を持っているか

③現地での就労ビザを持っているか

 以上が基準となります。

 

 

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マレーシアの株式会社の株主について

 

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 今回はマレーシアでの株式会社の株主について説明していきます。

 公開、非公開に関わらずマレーシアで株式会社を設立した時、株主の設置が義務付けられていますので株式会社の設立時に気をつけましょう。

  

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株主について

 マレーシアでは公開、非公開に関わらず株式会社では株主の設置が必要です。

 会社法第14条により、2名以上の株主または1名以上の法人の株主の設置が義務付けられています。また、非公開会社の株主は50人までと定められており、公開会社にステータスを変更する必要があります。

 

 また、会社法181条によれば、いかなる株主も、会社が株主の利益に対して抑圧的または不公平にその判断を下した場合に裁判所に申し立てすることができます。

 会社法では、以下の権利を裁判所に付与し株主保護のために公正に対処するよう会社に要求できることを規定します。

1:当該行為を公正に導くもしくは禁止すること、また決議を変更すること

2:将来における会社運営を規制すること

3:他の株主や当該会社、社債保有者からの株式取得に関し、規定を定めること

4:会社による自社株取得の際、減資についての規定を定めること

5:会社を解散させること

 

 

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マレーシアの税務(M&A編)

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 今回はM&Aに関わる税務について書いていきます。

 マレーシアでのM&Aには日本と同じく税制が規定されています。

 会社設立とは直接の関係はありませんが、マレーシアでの活動をする上では知っておくと便利だと思われます。

  

M&Aに関わる税務

 マレーシアでM&Aに関連する税務は以下の4つです。

①譲渡所得(キャピタルゲイン)税

{詳細}

 マレーシアには不動産収益税以外に譲渡取得税はありません。不動産収益税は、不動産の所有する資産や株式の売却によるキャピタルゲインに課される税金と定義されます。

②税務上の欠損金および減価償却

{詳細}

 税務上の欠損金及び未処理の減価償却は会社に累積し、会社の清算時に未使用の欠損金や未処理の減価償却は失われます。

所得税

{詳細}

 税務当局は賦課年度から過去5年にさかのぼって所得税をあげることができます。

印紙税

{詳細}

 印紙税は法的文書に課される税であり、移転や譲渡の契約書等に対し取引価格に応じて課税されます。

 

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 以上4つがM&Aに関わる主な税務となります。

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マレーシアと株式取得

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 海外での株式会社設立において株式の取得における規制は大きな壁になります。

 ですので、今回は株式の取得における規制について書いていきます。

  

マレーシアの株式取得の規制

マレーシアにおける株式の買付とそれの買付に関する規制はいくつか存在します。

[公開買付規制]

{詳細}

  公開買付規制とは、主に上場会社の株式取得に際して、CMSAや買収コードに従い、数量、期間、買付の価格を公表した上での株式の買付を行うことを義務付けるものです。これにより、特定株主の優遇、不透明な取引、を防ぎ取引の公平性を維持するための規制です。

Ⅰ:強制的公開買付(以下の場合に義務が生じる)

  (a)買収者が「支配権」を得た場合

  (b)議決権の33%超50%以上を保有しており、会社の議決権付株式の、2%超を6か月間に取得した場合

Ⅱ:任意的公開買付

Ⅲ:部分的公開買付

Ⅳ:公開買付の手続き

[第3者割当による買収]

 マレーシアにおいては、発行済株式の取得に加え、第3者割当増資による新規株式の取得による買収も可能です。ただし、新株式を発行するにあたり、株主総会の普通決議が必要になります。

[株式譲渡]

 マレーシアにおいて株式譲渡は代表的なM&Aの手法であり、上述の公開買付に当てはまらない場合に適用されます。

 

 

 その他、株式売渡請求やスキーム・オブ・アレンジメント、などもあります。

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マレーシアのM&A ①

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 今回からマレーシアのM&Aについて書いていきます。

 マレーシアのM&Aには手続きや規制などが規定されています。現地法人を設立する手間やコストよりも現地の会社と合併した方が得策な場合があります。

 

マレーシアのM&Aの留意点

 まず始めに、マレーシアにおけるM&Aの留意点をまとめていきます。

 日本とマレーシアではM&Aに関係する法律が異なりますので、注意が必要です。

 

1:法制度、税制度、会計基準の違い

 *日本とは異なり、また、買収後の事業活動などに影響を与えるので注意が必要です。

 

2:外国資本規制

 *過去、サービス業などで規制がありましたが、近年規制が緩和されてきています。

 

3:M&A取引方法に関する制限

 *株式譲渡、事業譲渡などが一般的で、吸収合併や会社分割は会社法で認められていません。

 

4:事業評価、企業評価が困難

 *日本国内では3つの方法(①純資産法 ②マルチプル法 ③DCF法)が用いられていますが、マレーシアでは正確な財務データの入手が困難であること、将来のキャッシュ・フローの割引率の算定が困難である場合があること、など日本国内と同等の方法では不備が出る場合があります。

 

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 留意するのは以上の4点となります。

 現地法人設立においても規制や法がありますが、M&Aにも同じように規制があること、それ以上に情報などの問題も立ちふさがるということが重要となります。

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